アレックスとアニバルが二人がかりで床板の一部を上げると、小説で海賊や盗賊がアジトに隠しているような木製の宝箱が現れた。ざっと見た感じでも、何十個とある。

 そこでやっと、これらをせっせと貯金した本人たちが現れた。

「ボス、心配しないで。わたしたちがちゃんと守るから。だから、ボスたちはいまのうちに逃げて」

 そう提案してみた。

「そうか。わかった。頼むぞ」

 フリオは、まだ上半身裸のままである。

 いいかげんシャツを羽織ったら?もしかして、筋肉を見せびらかしたいわけ?それとも、ただの露出狂?

 それはともかく、いまの彼の返事で彼は素直じゃなくってただのバカだということがわかった。

 フツー、見ず知らずのわたしの言うことなんて信じるわけないわよね?

「なにを言っているのよ。こいつらに金貨を横取りされるわ」

 ビビアナがフリオにツッコんだ。