「聖女?ええ、そうね。そんなふうに言ってくれるのは、あんたくらいよ。だけど、残念ながらあんたはもう何もかも失った。地位と財産などね。まあ、フツー矜持とか名誉とかもくっついてくるんでしょうけど、もともとあんたはそういうのとは無縁だったもの。とにかく、なんにもないあんたはもう用なしってこと。わかる?それこそ、金の切れ目が縁の切れ目ってやつよ」
「きみの言っていることがわからない。おれは借金取りだけでなく、役人にも追われている。もうアラニス帝国には戻れない。というよりか、なるべく遠くへ逃げないと追手に捕まってしまう」
元夫のことを「お気の毒に」、なんてことはちーっとも思わない。だって自業自得だし、彼が愚かすぎるだけなんですもの。
「きみの言っていることがわからない。おれは借金取りだけでなく、役人にも追われている。もうアラニス帝国には戻れない。というよりか、なるべく遠くへ逃げないと追手に捕まってしまう」
元夫のことを「お気の毒に」、なんてことはちーっとも思わない。だって自業自得だし、彼が愚かすぎるだけなんですもの。

