浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

 ミニモフモフは、すでにエントランスへ駆けて行ってしまっている。

 わたしたちもそのまま駆け続けた。

 アレックスがいる。それから、食堂に乱入してきた男たちの姿も見える。

「セシリオの友人の友人だ」
「ああああ?そんなもの、ただの他人じゃないか」

 アレックス、どういうことなの?

 わたしの元夫に会う為に、乱入者たちを追いかけたの?

 わたしたちの予想をはるかに上回る彼の行動は、小説のあるあるにはあてはまらないかもしれない。

「アレックス」

 殿下と呼ぼうとして、なぜかそれがはばかられた。

 すごいわ、わたし。もしかして、女の勘?それとも第六感ってやつかしら。

 まるでわたしの小説の女暗殺者「黒バラ」ことエルバみたい。

 ちょっと自画自賛ね。