「行くわよ」

 当然、わたしたちもダッシュよ。

 フフン。日頃のランニングの成果を発揮するときよね。

 動きやすいよう、ランニングのときのズボンとシャツを着用している。靴もランニング用の紐靴。

 どこまででも走れるわよ。

 街道を行く人たちは、わたしたちが駆けて来るのに気がついてすぐに道を開けてくれる。

 アニバルもカルラも、うしろからついて来れている。

 カルラは、わたしに付き合ってときどき運動をしている。それに、農作業や家畜の世話で体をよく動かしている。だから、そこそこ体力がある。

 アニバルはさすがよね。ただの小説家の担当編集者じゃないですものね。それはあくまでも仮の姿で、じつはアレックスにこき使われている使い走り。だから、体力があるのね。