「遠い東の大陸にあるどこかの国の小説の中に、『ここで会ったが百年目』って台詞が出てくるのよ。『ここで出会ったのは、おまえの運の尽きだぜ』、みたいな意味だと思うんだけど。まぁ、それが正しいかどうかはわからないけど。とにかく、そういうイヤらしいことを企んでいるあいつに、目に物見せてやりたいわ」
「キュキュキュン」

 右肩上で、ロボが同意するようにモフモフの体を左右(・・)に振っている。

「な、な、なにいいい?何をとち狂ったことを」

 ベレー帽の男は、わたしがとんでもないことを叫んでいるかのように吐き捨てた。

「みんな、きいてちょうだい」

 ちょうどいい機会だわ。これだけ大勢の人がいるんですもの。ベレー帽の男の不行跡を訴えてやる。