浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

 今日はどんなジャンルにしようかな、とかんがえながら書架をまわってみた。すると、数人のレディが立っていることに気がついた。

 ああ、ラブロマンス系ね。

 そう。それはわたしにはぜったいに関係のない、それでいて作家であってもリアルな生活上であっても、けっして相容れない分野である。

「あーあ、残念。まだ戻ってきていないわ」
「バカね。だから予約しなさいって言ってるでしょう?」
「してるわよ。だけど、念のため戻ってきていないかなって」
「あるわけないわよ。予約だって、巻によっては二か月待ちよ」
「セシリオ様がイメルダ嬢の元婚約者をとっちめるシーンの続きが読みたいのに」
「それだったら教えてあげるわよ。お屋敷で……」