「アニバル、隠れ家に八巻の改稿中の原稿と九巻のプロット作成の用紙が置いてある」
「冷静にかんがえてみたらそうだよな。どちらも重要だ。アレックスが死んだとしても、それさえあれば八巻は確実に発売出来るし、九巻はプロットにそって代筆してもらえばいい。たとえば、クミにでも」
「それは、ぜったいに必要よね。殿下がこの世からいなくなるとか、モリーナ王国を追放されてどこか遠くに流れて行ったとしても、あと二冊分は多くのファンを楽しませることは出来るもの。アニバル。なんなら、わたしがんばってみるわ。プロットさえあれば、アンチ恋愛物のわたしでもどうにかなるかもしれないし」

 馭者台で手綱を握っているアニバルに申し出てみた。

 わたしってば、太っ腹よね。

「お嬢様。いくらなんでも、いまのは殿下に対して失礼すぎます」

 すかさず、カルラに注意をされてしまった。

 それもそうよね。というわけで、反省。