「とはいえ、隠れ家には戻らない方がいいだろう。出来るだけ接触は避けたいから」
「そうだね、アニバル。だが、馬は必要だよ。馬車の馬は、馬車用の馬だから」
「乗馬用の馬なら、カルラとわたしの馬がいるわ」

 アニバルとアレックスの会話にわりこんだ。

「二人とも乗馬を?」
「ええ、殿下。なにかのときに必要かもしれないので、ここに移ってきてからお嬢様に教えていただいたんです」
「わたしは、もともと乗馬が好きだったから」
「だったら、問題ない。馬車に二人乗ればいいからな。もしも馬が必要になったら、道中どこかで買えばいい」

 アニバルが言い、さっそく出発することになった。