簡易テーブルと椅子をたたんで肩に担ぎ上げる。

「ク、クミ、ちょっと待って……」
「コケッコ」
「ココココッ」
「ココッ!」
「コケ―ッ」

 裏庭を横切っていると、アレックスの声がきこえたような気がした。だけど、ニワトリたちがわたしの右肩上にいるミニモフモフに気がついたらしく、大興奮しはじめたので彼の声がよくきこえなかった。

 ああ、いやだわ。

 ドキドキとわくわくが止まらない。