「クミ、違うんだ。そうじゃない」
「えっ?殿下、どこが?どのあたりが違うの?呼び方?やっぱりアレックス様がいい?それとも、取材のこと?取材は難しいかしら」

 アレックスはまた美しい顔を上げたけど、やはり真っ赤な顔のままである。

「あああっ!」

 わかったわ。彼の真っ赤な顔を見ていたら思いついてしまった。

「な、なんだ?」
「ひいっ!」
「お嬢様っ!また、悪い癖がでましたよ」

 あちゃちゃ。やっちゃったわね。

 何かあると、すぐに大声を出してしまう。だから、いつもカルラに怒られてしまうのよ。