ありがたいことに、アラニス帝国とモリーナ王国は何百年も前から超がつくほど仲がいい。だから、隣国の王都だけでなく、いろいろな地域の地図や文化、宗教等々様々な資料が豊富に出回っている。

 当然、モリーナ王国の図書館にはアラニス帝国の様々な資料が並んでいるらしい。

 胸元に資料を抱えながら小説のコーナーに行ってみた。

 歴史、恋愛、子ども向け、戦記物、冒険物、バイオレンスやハードボイルド系、ミステリー、自伝等々。様々なジャンルが何列もの書架に並んでいる。

 うーん。面白い小説はあるかしら?

 まずは、バイオレンスやハードボイルド系をのぞいてみた。