「いや、それはないな。普段着でもかわらんじゃないか。もちろん、カルラは違う。彼女はどんな恰好をしていたって、いろんな意味でヤバい」
「ああ、アニバル。連中もおなじことを言っていた。連中曰く、二人は『美人の女主人と変わり者のメイド』らしい。そんなふうに街の人間が言っているとな」
「ちょっとどういうことよ、アニバル。あなた、昔のわたしを知っているわよね?それに比べたら、ずっとマシでしょう。あなた自身、会うたびに褒めてくれるじゃない」
 
 立ち上がっていた。拳を握りしめ、怒鳴っていた。