「それで、どのあたりが当たっているわけ?」
「ほぼ全部」

 わたしの問いに答えたのは、アレックスだった。

「じゃあ、アレックス。あなたは、モリーナ王国の国王陛下?それとも王子様?」
「王子だよ。王太子になることが密かに決まっている」
「いやだわ。もうわかっちゃった。あの連中があなたを捜しているのは、その密かに決定している王太子にまつわることよね」
「ああ、そうだ」

 ここまで王道ストーリーだったら、かえって飽き飽きしてくるわ。もっとこう、刺激的な何かはないわけ?

「アニバル様は?出版社の副編集長というのは?」

 カルラが尋ねると、アニバルは大股で五歩ほど離れたらまぁまぁなんじゃない?って思える顔に苦笑を浮かべた。