浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

 街に到着してから、わたしは荷馬車をおりて図書館に向かった。カルラは、買い物である。食べ物や小童用品等買い出しをし、図書館で待ち合わせをする。

 帝都でも図書館に行くことはあった。たいていはグレンデス公爵家の図書室で事足りたが、図書館にしかない資料などもある。

 そういうときは、街のスイーツを買いに行くふりをした。

 普段は自室にこもっているわたしが外出するほどだから、どんなスイーツを買いに行くんだろうとグレンデス公爵家の使用人たちは思っていたかもしれない。

 だけど、それも結婚した当初くらいのことで、じきにだれも関心を示さなくなった。

 とにかく、わたしは嫌な女だった。悪妻だった。だから、だれも関わり合いたくなかったのだ。