「ロボ。まだ待て、よ」

 粥の大鍋を前に、ロボに命じる。

「だから、ワンちゃんではない」
「いただきますは?ちゃんと感謝しなさい」
「い、いただきます」

 料理をした人に、食材を生産した人に、感謝を忘れてはならない。

「食べてよし」

 昔、拾ってきた仔犬を躾けたときと同じようにやってみた。

 食べてもいいと許可を出すと、ロボは一心不乱に食べはじめた。

「ハフッ」とか「熱っ」とか言いながら。

 すでに朝食を堪能しつくしたアレックスとアニバルは、なぜかお腹を抱えながら笑い転げている。どうやら、ウケにウケまくった上にツボにはまってしまったらしい。

 わたしたちの騒がしい朝食の光景を、小鳥たちが木々の枝上から見下ろしている。

「うるさいな」、なーんて思っているのかしらね?

 それとも、わたしたちの和やかな雰囲気にほっこりしているのかしら。