「さあ、でっかいワンちゃん。召し上がれ」

 カルラは、うちにある鍋の中で一番広くて深い大鍋にいっぱい作って持って来た。

 彼女はそれを地面に置くと、手の甲で額の汗を拭いつつ「ふうっ」と一息つく。

 粥がいっぱい入った大鍋を一人で抱えてくるなんて……。
 カルラ。あなた、とっても頼もしすぎるわ。

 口に出したら、彼女に睨まれるわよね。だから、心の中で讃辞を送っておいた。

「ワンちゃんではないっ!ったく、聖なる獣に対してなんたる仕打ちだ」
「じゃあ、いらないんだ。すっごく美味しそう。あなたが食べないんだったら、わたしたちがいただくわよ」
「食う。食うに決まっておろう。せっかく作ってくれたのだからな」
「だったら、素直におとなしく感謝しながら食べたらどうなのかしらね」
「いちいちうるさい女、あっいや、レディだ」

 ロボは、大鍋の前にお座りしなおした。