全員で「いただきます」をした後、しばらくの間は食事に集中する。

 はやい話が、お腹がすぎすぎてお喋りする余裕がないのである。

「えっ、これがあのちっちゃいモフモフなのですか?」
「このわたしを『これ』扱いするなっ」

 全員が人心地ついたとき、カユラが大きなモフモフを指さして尋ねてきた。

 すると、ロボが怒った。
 ほんと、大きな図体のわりにはちっちゃい心の持ち主よね。

「そうなのよ。驚きよね。なんと、魔獣なんですって。まるで子ども向けの小説みたいでしょう?」
「だから、魔獣ではないと……」
「へー、魔獣だったんだ」

 アレックスが、目玉焼きの白身部分から黄身の部分を丁寧に切り分けながらつぶやいた。 

「そんなわけがあるかっ!」

 ロボは、さらにプリプリしている。