「イタタタタ。やめてくれーーーっ!」

 ニワトリたちの羽毛や羽根が舞い散り、ついでに糞も飛び散り、裏庭は修羅場と化してしまった。

「おーい。朝っぱらから騒がしいな」
「いったい、どうしたんだい?」

 そのとき、台所に通じる裏口の扉が開いた。

 白いシャツにズボン姿で、寝癖のひどい状態のアニバルと、寝起きとはまったく感じさせないパリッとした恰好と爽やかな表情のアレックスが、裏口に現れた。

「……」
「……」

 修羅場を目の当たりにした二人は、口をあんぐり開けてかたまったしまった。