「このニワトリどもめ」

 ロボは、でかい図体のわりには心が狭いみたい。小さな動物たちがくちばしで突っついているだけなのに、キレかかっている。

「お嬢様っ、それを止めて下さい。それがちょっとでも動いたら、庭だけでなく建物や柵や物置小屋までぶっ壊れてしまいます。そうなったら、お嬢様に責任をとってもらいますよ」

 いままさにロボが巨躯をよじるか立ち上がるかしようとした瞬間、カユラがニワトリたちの狂乱状態に負けじと叫んだ。

 って、それはすっごくマズいじゃない。

「ダメダメ、ダメよ。暴れたら、庭がめちゃくちゃになってしまうわ。ガマンなさい」
「な、なにい?だったら、ニワトリたちをなだめてくれ。たまらぬ」
「あなた、魔獣でしょう?すっごい魔力を持っているんじゃないの?ジャンル違いだけど、そのくらいの知識はあるわ」
「だから、魔獣じゃないと申しておる……」
「コケッコ―」
「ココココッ」