「コケッ」
「コケッコ」
「コココッ」
「コケーッ」
「コケッコ―」

 わが家のニワトリ軍団がロボを取り囲んでいることに気がついた。

 広くもない裏庭に、ロボはかろうじてその巨躯を押し込みチンマリとお座りしている。

 うちのニワトリたちは、そのお座りしている周りをグルッと取り囲んでいるのである。

「な?なんだ?」

 ニワトリたちの不穏きわまりない様子に、ロボは落ち着きなく大きな頭部を右に左に向けている。

「コケッ!コケーッ」

 なんてことかしら……。

 ニワトリたちの中で一番強い通称「女王様」の号令で、ニワトリたちが一斉に羽を広げてジャンプした。

「イタタタタ。やめよ」

 ニワトリたちは、思いっきり攻撃している。くちばしで容赦なく突っつきまくっている。

 もちろんロボを、である。