浮気性の公爵に「外見も内面も最悪」と離縁されましたが、隣国の王太子は見染めてくれたようです~自由気まま少々スリリングな生活を満喫中です~

 ロボは満腹になったのか、わたしのお尻の横で眠ってしまっている。

 アレックスに「白ユリの楽士」シリーズの感想を述べた。

 はやい話が、めちゃくちゃ面白い。喜怒哀楽すべての感情をあらわすことが出来た。それは、様々な登場人物に共感出来るからである。

 この作品に物申すなんてこと、出来ない。すくなくとも、いまのわたしには到底出来そうにない。

 読み手としても作家としても、彼に完敗である。

 他の恋愛小説はわからないけれど、この作品にかぎってはこれまでの恋愛小説のわたしなりの概念を覆したと言っても過言ではない。

 残念ながら、わたしの語彙力ではこれ以上の表現はムリである。

 ほんとうは、もっともっと感じたことがある。褒めたいことがあるのに。

 情けないかぎりである。

 彼は、グラスを傾けながら黙ってきいてくれた。