そんな不自然であったりあり得ないシチュエーションを、わたしたち作家は平気で描くんだから。まぁ、あくまでも創作だから、いいえ、架空の世界だからこそ、読者はそういう不自然さやあり得ないシチュエーションでも受け入れてくれるんでしょうけど。

 とにかく、アレックスのことは育ちのいいお坊ちゃまだけど、料理は得意な作家ということにしておきましょう。

 昨夜、彼が持参してくれた葡萄酒が二本残っていたのでそれを開け、料理を堪能した。

 掛け値なしに美味しすぎる。

 どれもこれも、プロ級の味だわ。

 なにより、心がこもっている。