「うれしいハプニングだわ。予期せず読めるなんて。でも、大勢のファンの人たちに申し訳ないわね」

 罪を重ねるわたし。

 きっと、罰が下される。

「そんなことはないさ。さっきも言った通り、七巻はまだ発売されていない。読んでもらって、是非とも感想を、というよりかは意見をきかせてほしいな。主人公は男性で主人公目線だしぼくも男だから、どうしてもレディの描写や心情の細かいところが描けないんだ。びしばし意見が欲しいんだ」
「え、ええ……。わたしでよければ」

 ごめんなさい、アレックス。一応、わたしはレディよ。だけどね、恋愛が絡むと男性以上にレディの心情が理解出来ないのよ。

 悪いけど、あなたのお役に立てそうにないわ。

 絶望的な気分になってきた。

「興奮しまくっているわ。すっごく楽しみ。アレックス、あなたもわたしの小説を見てみて」

 これ以上罪を重ねたくない。とりあえず、ごまかしてみた。