妖術をかけられたのは、私じゃなくみんなのほうっていうこと……。


「あの男は……俺の立場を奪おうとしている。黒闇神夜明になろうとしているんだ」


「そんな……」


 恐ろしい計画を聞いて、ぞっとした。


 確かに……司空さんや百虎さん、雪兎さんや美虎ちゃんも、完全にフードさんが夜明さんだって、信じていた。


 やっぱり、みんなフードさんに操られていたのかな。


 ……だけど……フードさんが、そんな悪い人にも見えなかった……。


 こんなことを夜明さんに言うのは失礼なのかもしれないけど……一度、聞いてみよう。


「あ、あの……夜明さんは……あの人と知り合いなんですか……?」


 夜明さんが、眉をぴくりと動かしたのがわかった。