最近、ようやく少しだけ心を開いてくれた気がしていた。


 助けを求める声も、少しずつ減って……鈴蘭も俺への警戒心が少しずつ解かれているように思う。


 だからこそ、嫌われるような行動は避けたい。


 今回のことで、ずいぶん嫌われてしまったから……これ以上鈴蘭に嫌われたら、俺は生きていけない。


「……まさか、拘束術もせずにですか?」


「……」


 こいつは、頑なに鈴蘭に枷をつけようとする。


 心配なのはわかるが……あんなものを鈴蘭に付けられるわけがない。


 かわいそうで、見ていられなくなる。


「部屋の鍵は?」


 無言を肯定ととったのか、竜牙の声のトーンが下がった。


「……俺は鈴蘭を信じている」


 バカだと、あざ笑われてもいい。