魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~

 その瞳に見つめられると……心が、揺らぎそうになる。


 悪い人ではないのかもしれない、とか……この人にも、何かわけがあるんじゃないか……とか……。


 そんなことを思うたび、夜明さんを裏切っているみたいで……罪悪感に襲われた。


 ダメだ……私は、夜明さんの味方でいたいのに……。


「も、もう平気です……ありがとうございます」


「そうか……よかった」


 安心したように、口もとをゆるめたフードさん。


「ああそうだ、鈴蘭……今日も花を用意した」


 花……?


 さっき目が覚めたばかりで気づかなかったけど、部屋の隅にある花瓶を見ると花が変わっていた。


「バラ……」


 真っ白の綺麗なバラが、何輪も集まって飾られている。


 綺麗……。