魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~

 妖術を解くのは魔族でさえ困難で、普通の人間にはとうてい不可能だ。


 思い出してくれと願ってはいても、望みがないこともわかっている。


 今日もいつものように、鈴蘭の部屋へと足を運ぶ。


「……入るぞ」


 入ってきた俺を見て、鈴蘭はあからさまに緊張した顔つきになった。


 警戒態勢に入ったのがわかる。
『夜明さん……』


 あの契約のせいで、鈴蘭が“俺”に助けを求めるたびに、心の中の叫びが伝わってきた。


 俺が近づくたびに、俺に助けを求める鈴蘭。頭がおかしくなりそうだった。


「おはよう。今日はよく眠れたか……?」


 俺の問いかけに、鈴蘭はこくりと首を縦に振った。


「は、はい」


 怯えている姿を見ると、そのたびに胸が痛む。