「具体的に、そいつの能力はどういったものだ」
『記憶をすり替えることができる。鈴蘭の、黒闇神夜明への記憶を……全部あんたにすり替えるの』


 なるほど……。


「俺を黒闇神だと思い込ませるということか?」
『そう。あんた、理解力だけはいいから助かるわ』


 ちっと、舌を鳴らした。こいつからの感情のこもっていない賞賛などいらない。侮辱されている気さえした。


「それで、鈴蘭を呼びだす方法は?」
『それはあんたが考えて』


「は?」
『あたしが書いたメモを、どうにかして鈴蘭に届けるの。そのメモさえ見れば、鈴蘭は慌ててブランに向かうわ』


 こいつ……一番肝心なところは俺頼みか。


「そのメモの内容は?」