『あたし、中学の同級生に、ひとりだけ魔族がいるの。妖怪族の末裔なんだけど、妖術が使えるのよ』


　妖術か……。


　まさか、星蘭に学外で魔族の知り合いがいたとは。


　魔族の人間が、必ずしも魔族が集まる学園に通っているわけではない。


　能力が低いものや、名家の生まれではない魔族は一般的な学校に通っている場合が多い。


　ただ、ほとんどのものが名家の生まれで、高い能力を持っているため、一般的な学校に通っているほうが珍しかった。


　その友人とやらに頼むつもりか……。


　今の星蘭は、ブランから完全に敬遠されているため、学内の魔族には頼れないんだろう。


　ブランのやつら全員に恨まれていると言っても過言ではない。