血と言っても、ほんの一滴、契約を交わす器に垂らせばいいだけだが……その人間を儀式の場に連れ出し、血を垂らす必要があるという時点で、ある程度契約者側の同意も必要だ。


 それに、契約は契約者が目覚めている状態でしか結べないため、眠っている状態の人間を無理やり……というわけにはいかない。


 中には、相手を操って強制的に契約を結ぶやつもいるそうだが……一応禁止されている。


 絶対的な契約ではあるが、ある程度条件を揃える必要があった。
『そのくらいわかってるわよ。だから……鈴蘭をその気にさせればいいの』


 その気に……?


 ずいぶん強気な口調で話す星蘭。


「方法は?」