【side ルイス】
星蘭が、今回の作戦を俺にふっかけてきたあの日――俺たちは電話で手を組むことを誓った。
『あたしが黒闇神様を手にするためには、あんたには鈴蘭を奪ってもらわなきゃ。意味わかるでしょ?』
「妖精の契約か」
突然電話をしてきたと思えば……こいつ、どうやって妖精族のことを調べた。
……まあ、少し前までは友人に囲まれていたようだし、魔族のやつにでも聞いたのか。
この際、誰に聞いたのかは重要ではない。魔族の中では有名な話だ。
ただ、問題は……。
「お前、妖精の契約についてどこまで知っている。あれは一方的な愛の契約と言っても、一応双方に同意が必要だ」
妖精の契約。
愛する人間を――生涯自分のものにできる、従属の契約。
一方的な契約ではあるが、条件がいくつかある。その中で一番やっかいなのが、契約者の血が必要だということだ。