魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~

 私が……夜明さんのことをわからないはずない。


「夜明さんのことはもちろん……! で、でも……私の知ってる夜明さんは……」


 私は恐る恐る、黒髪の男の人を見た。


「この人では、ありません……」


 どうしてこの人が夜明さんを名乗るのかも、当たり前のようにみんなと一緒にいるのかもわからない。


 この光景は、私にとって異常としかいいようがなかった。


 その黒髪の男の人は、私を見て小さく口を開けたまま、うろたえているように見えた。


「……いいえ、この人は夜明です」


 司空、さん……?


 ぞっと、背筋が凍る。


 あれだけ夜明さんに忠誠を誓って、いつも夜明さんを守っている司空さんが……何を、言ってるんだろう……?