今は、未来を信じることしかできないから……。


「……ああ」


「竜牙くん、……夜明も休ませたほうがいいかもしれない」


 ひとまず、夜明のことは竜牙くんに任せて……俺たちは早く動きだそう。


「俺と雪兎で先に行ってくるよ。実家に戻って、何か方法がないか聞いてみる。それと、妖術について詳しい人間も探すね」


「……それは俺のほうで探す。雪男族は元々、妖怪族の一種だ。妖術については俺のほうがツテが多い」


 雪兎もまだ状況を受け入れきれていないと思っていたけど、真剣な表情を見て少し安心した。


「ありがとうございます、よろしくお願いします」


 俺は竜牙くんの肩を叩いて、急いで夜明の家を出た。