だから……一番無謀そうに見えて、自力で探すのが一番手っ取り早い。


「とにかく、鈴蘭様の記憶が戻れば、白神に奪われることもなくなりますので……一刻も早く記憶が戻る術を見つけましょう」


 妖術をかけた本人を見つけるか、解く方法を探すか、どちらかだ。


 俺は、ずっと黙ったまま突っ立っている夜明のほうを見た。


「夜明、大丈夫?」


「……ああ」


 完全に放心状態だ……。


 夜明にとって、鈴ちゃんは初恋で、最愛の相手。


 そんな相手が、自分のことを認識できていないってわかったら……こうなって当然だ。


「大丈夫、鈴ちゃんはちゃんと夜明のことを思い出してくれるよ」


 俺の言葉なんて、きっと気休めにしかならないだろうけど。