魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~



「奪われさえしなければ……契約を結ばれることもないでしょう」


 俺たちのミッションは、鈴ちゃんを白神から守ること。


 記憶が戻るまでは……部屋から一歩も出さないほうがいいだろう。


 向こうも、鈴ちゃんを奪う機会を見計らっているはずだ。


 どこで監視されているかわからない。


「妖術を解く方法……鈴蘭様の記憶が戻る方法を、探しましょう」


「うん、そうだね。俺たちはそこに注力しよう」


 頷いた俺を見て、雪兎が口を開いた。


「白神に自供させるのは?」


「多分無駄です」


 俺の代わりに、竜牙くんがきっぱりと答える。


「どうしてですか?」


「相手は、夜明の能力を知っています。記憶を見る能力」