魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~

 妖精族の契約……簡単に言えば、従属の契約だ。使い魔との契約とも近い。


 愛した相手を言いなりにできる……一方的な愛の誓い。


 その契約は、永遠に有効で、二度と解除することができない。


 ……契約を結べば、他者は関与できない。


 契約を結ぶには儀式が必要で、その契約者と主人の血が必要らしい。


 白神のことを夜明だと思っている今の鈴ちゃんなら……簡単にその契約を結んでしまいそうだ。


「正直……それを結ばれてしまったら終わりです」


 身も心も、完全に白神のものになる。


 いくら不可能なことはないと思われている夜明も、妖精の契約を壊すことはできないだろう。


「ですが、鈴蘭様は今こちら側にいます」


 そうだね……何も、絶望ばかりじゃない。