魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~

「白神が鈴蘭様を奪う機会を見計らっているはずです。一瞬も目を離さないように」


 竜牙くんがここまで釘を刺すのには、理由があった。


「あいつは……曲がりなりにも、“妖精族”です」


 ここにいる全員、白神よりも能力自体は優れていると思う。


「とにかく、鈴蘭様をあいつに近づけてはいけません」


 ただ……妖精族は、やっかいすぎる。


「鈴蘭様の記憶を錯乱させたのはきっと……“妖精の契約”を結ぶためでしょう」


「……二度と解除できない、あの契約ですか」


 ずっと黙っていた雪兎が、口を開いた。


 その声は少しだけ震えていて、雪兎も相当動揺していることに気づく。


「はい……妖精族が悪魔族の次に優れていると言われている要因です」