リビングに繋がる扉を開こうと思った時、扉の奥から怒鳴り声が聞こえた。


 この声は……。


 怯えながらも、恐る恐る扉を開ける。


 扉の向こうにいたのは、美虎ちゃんと雪兎さん、百虎さんと司空さん、そして――夜明さんを名乗っていた男の人がいた。


 やっぱり……今の声は、この人の……。


「あ、あの……」


「鈴蘭……」


 出てきた私を見て、動揺している黒髪の人。


 怖い……。


 この人は、一体、誰なんだろう……?


 どうしてみんな……この人と一緒にいるんだろう?


 みんなの真ん中にはいつも、夜明さんがいたのに……。


「あ、あの、夜明さんはどこですか……?」


 私の質問に、知らないその人以外の全員が目を見開いた。