魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~

 はっきりとそう言えば、目の前にある顔が歪んだ。


「……何?」


 長い夢を見ていた気がする。


 でもこれが夢じゃないってことも、すっきりとした頭の中で理解していた。


「あなたは、夜明さんじゃないです――ルイスさん」


「……っ」


 夜明さんの記憶は曖昧なまま。だけど……この人は夜明さんじゃない。


 それだけは、はっきりと言えた。


「何を言ってるんだ……俺は……」


「ルイスさん、私は――」


「やめろ、鈴蘭。俺は夜明だ」


 言い聞かせるように、そう言ってくるルイスさん。


「お前は……今から俺のものになるんだ」


 違う……。


「なりません」


 逃げなきゃっ……。


 ルイスさんの手を振り払って、走りだした。