魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~

 鈴ちゃんにとって今ここにいる本物の「夜明」は、ただの知らない人なんだろう。


 夜明の表情が、さらに陰ったのがわかった。


 ショックを受けるのも当然だ。


 それに……現状、解除する方法がないって言われたんだから……なおさら。


「……いいえ、この人は夜明です」


 竜牙くんは言い聞かせるように、鈴ちゃんにそう伝えた。


「鈴蘭様、落ち着いて聞いてください。あなたは、妖術をかけられています」


「え……?」


「今あなたの目の前にいるのが、本物の黒闇神夜明です」


 全部伝えるのか……。ここは一旦、竜牙くんに任せよう。


「あなたが夜明だと思っている人物は、白神ルイスです」


「そ、そんな……」