私……どうしてしまったんだろう……。


 夜明さんのこと、大好きなのに……。


 夜明さんに抱きしめられているのに――少しも安心しないなんて。


 こんな気持ちのまま……大事な契約をしても、大丈夫なのかな……。


 不安を感じて、自然と視線が下がっていく。


「鈴蘭、どうした?」


 顔を覗き込んでくる夜明さんに……私は意を決して口を開いた。


「あ、あの……」


 お願い、してみよう……。


「契約の日を、ずらすことはできたり、しないんでしょうか……?」


 今日は……私の気持ち的にも、体調的にも……そんな大切な契約を結んでいい状態じゃない気がする。


 何より、夜明さんにも失礼だ。


 きっと夜明さんなら、私の気持ちを尊重して……。