体調は……とても悪い気がする。でも、今日は契約の日だから、夜明さんにあんまり心配をかけないほうがいい。


「今日は契約を結ぶ日だからな」


 夜明さんもそう言っているから、体調がよくないことは伝えないことにしよう。


「多少体調がすぐれなくても、歩けそうなら問題ない」


 笑顔で大丈夫ですと言おうとした私よりも先に、そう言った夜明さん。


 その発言に、違和感を覚える。


 夜明さんらしくないセリフ……。


 いつもなら、体調が悪いなら寝ていてもいいって、言ってくれるはず。


「は、はい。大丈夫です」


「よかった。無事に契約が結べそうだな」


 そう言って抱きしめてくれた夜明さんは、やっぱりいつもの夜明さんとはどこか違う気がした。