魔王子さま、ご執心!④ ~一途な魔王子さまは永遠の愛を誓う~

「鈴蘭様、いくつか確認をさせてください」


 夜明に代わって、竜牙くんが鈴ちゃんに詰め寄っている。


「私のことはわかりますか?」


「え? は、はい」


「なら、夜明のことは?」


「夜明さんのことはもちろん……! で、でも……私の知ってる夜明さんは……」


 鈴ちゃんが、困ったように視線を下げた。


「この人では、ありません……」


 完全に、記憶がなくなってるのか……。


 いやでも、夜明以外の記憶はそのままみたいだし……ここが夜明の家だってことも理解しているように見える。


 白神のことを夜明だと思っているみたいだけど、夜明のことを白神と思ってるわけではないんだな……。