『鈴蘭』


 真っ暗闇の中、誰かが私に歩み寄ってくる。
『鈴蘭……頼む……』


 その人は、私に必死に訴えかけていた。


 あれ……?


 私、この人を知ってる……。


 このシルエットは……フード、さん……?
『俺に――気づいてくれ』


 


「……っ!?」


 勢いよく目が覚めて、私は体を起こした。