【side 夜明】


 俺は今、実家のホールにいた。


 とある人間と――会うために。
『到着したそうです』


 無線で連絡が入り、顔を上げる。


「中に入れろ」
『かしこまりました』


 扉のほうを見て、やつが入ってくるのを待っていた。


 俺の後ろには、竜牙の姿もある。


 ……来たか。


「黒闇神様……このたびは、私のお願いを聞き入れてくださって、ありがとうございます」


 SPたちに囲まれているそいつが、俺を見て頭を下げた。