そんな俺たちの油断が……今回の結果を招いてしまったんだ。


 鈴ちゃんが見つかって安心したのも束の間、事態は想像以上に悪い方向に転がっていた。


「鈴ちゃんは……白神のことを、夜明だと思ってるってこと……?」


 なんだ、それ……。


 白神……ッ。


 自分で鈴ちゃんの手を放したくせに……自分勝手な白神の行動に、怒りが込み上げて歯を食いしばる。


 女神の生まれ変わりだとわかったからって、都合よく鈴ちゃんを奪い返そうってことか。


 あんな男に……鈴ちゃんを渡すわけがないだろ。


 すべてを知った夜明は、まだ現実が受け入れられないのか、呆然としていた。


 夜明……。


 同情して、かける言葉も見当たらない。