自分のものとは比べ物にならないほど柔らかく、シルクのような触り心地の肌。


 驚いてもう一度撫でると、鈴蘭が身をよじった。


 ああ……起こしてしまったか……。


 もう少し寝顔を眺めていたかったが、悔やむ必要はない。


 これからは……いつだって鈴蘭は俺のそばにいるのだから。


「よあけ、さん……?」


 ……これだけは、唯一悩ましい。


 好きでたまらないという表情で俺を見ている鈴蘭が、俺以外の男の名前を呼ぶ。


 わかっていたことだが、“夜明さん”と呼ばれるたびに、嫉妬でどうにかなりそうだった。


 自分に向けられた愛の言葉。でも、この感情は……本来俺ではなく黒闇神に向けられた愛情だ。


 そう思うだけで、嫉妬心に蝕まれていく。