「わっ……これは……」


「鈴蘭のために用意させた。気に入ってくれたか?」


 鈴蘭は花が好きだと思い、昨日用意させた花束。


 鈴蘭の髪と瞳の色と同じ……淡い空色のバラ。


「とっても綺麗です……ありがとうございます……!」


 ぱああっと顔を明るくさせ、花に見惚れている鈴蘭。


 そんな鈴蘭に、俺も見惚れてしまう。


 星蘭は花をやってもたいした反応をしなかったが、鈴蘭は違う。


 花束ひとつで極上の微笑みを浮かべてくれる鈴蘭に、愛おしさが募る。


 まだここで過ごしてから、たったの1日しか経っていないというのに……俺の心はもう、鈴蘭一色に染まっていた。