【side ルイス】


 鈴蘭が、俺のもとに戻ってきてくれた。


 俺は歓喜に震えて、その日はずっと鈴蘭から離れなかった。


 今日から、ここで鈴蘭との生活が始まる。


 祖父が用意してくれた、この別荘で。


 親族にも誰にも知られていないという別荘。ここなら、黒闇神たちもそう簡単に特定できないだろう。


 だが……相手はあの黒闇神だ。魔族のトップに君臨する黒闇神家なら、この場所でさえもバレるのは時間の問題。


 一刻も早く……鈴蘭と妖精の契約を結ばなければいけない。


 契約の準備も、もうあと2日ほどで整う手筈だと報告を受けた。


 準備が整い次第……すぐに契約を結ぼう。


 それまでは……鈴蘭との時間を、謳歌しよう。


 女神の生まれ変わりだった真実を知ってから……ずっと鈴蘭に会いたくて、たまらなかった。


 昨日、鈴蘭と再会してから……俺の世界はいつになく輝いていた。