雪兎も美虎も動揺しているのか、目が虚ろだ。


 ごくりと息を飲んで、竜牙くんを見る。


「いつ、いなくなったの……?」


「……本当に、ついさっきです」


 一体、どこから逃げて……。


「窓の外からワープで張りついていたんでしょう。鈴蘭様が顔を出した瞬間に、連れ去られていました」


 監視カメラにでも残っていたのか、淡々と説明する竜牙くん。


 だけどその声色は少し震えていて、動揺を隠しきれていなかった。


 動揺というか……怒りで震えているのかもしれない。そんな口調だ。


「どうして……夜明さんは見てなかったんですか?」


 鈴ちゃんがいなくなった事実を受け入れられないのか、真っ青な顔をした雪兎が口を開いた。